春遠からじ

今冬は実に寒かった。久しぶりに冬らしい冬でしたね。
生来忘れっぽい人間なので「そういえば、昔は冬って結構これくらい寒かったよなぁ」とか思い出しました。それは気候の問題というよりは木造の隙間風が吹いて当たり前の住居に住んでいたことが主因で一戸建てなので底冷えもするし、こたつやストーブがないとやってられなかったというだけなのですが。
気密の高いマンション住まいになってからはや22年。暖冬なら一切暖房を使わない年も経験した身としては今年の寒さにはは奇妙な懐かしさを覚えました。そういえば、小さい頃はこたつの中に頭まで入って遊んだりしたなとか。こたつに足を突っ込んだら母が仕込んでいたパン種が鎮座ましましていてびっくりしたとか(よく膨らむのだ)。何かの加減で床に溢れた灯油が火を上げたときは皆が泡を食う中、祖母がそっと座布団を被せて一瞬で鎮火させたなんてこともあったなとか。あの冷静さは舌を巻きました。後にSEなんて職業に就いて年中、システムトラブルと対峙するようになったので僕も身に付きましたが。
とにかく今年は寒かった。が、それもそろそろ終わり。東京の桜の開花予想は3月21、2日ころだとか。あと3週間くらいで町町の公園は薄桃色に染まります。春よ来い、早く来い。心の中でそう唱えることができるから僕は寒い冬もたぶんそれほど嫌いなんじゃない気がします。
スポンサーサイト

冬ごもり

なぞの感染症のお陰で職場に出ることもできず思わぬ長期休暇を頂いてしまった今年。
職場はおろか外出すらも必要最小限に抑えておりましたので、世にいう「ひきこもり」の人達の生活を実体験することにあいなりました。およそ三週間、人との会話といえばスーパーかコンビニのレジの人と交わす一言、二言のみ。家から出ない日はそれすらなく食事以外で口を開くこともない日々。改めて気付いたのですが僕は電話をかけてぐだぐだとおしゃべりをするような友人を持ち合わせていないんですよね。せいぜい、家人くらい。これでいいんだろうかとちょっと不安になりましたが同年代のアラフィフ男性はどうなんでしょうね? 勝手な想像かもしれませんが、平日の日中は仕事に勤しんでいる方が大半ですから平日の日中から電話で話し相手になってくれる友人を持ち合わせていない方が普通なのではとも思いました。何より、持ち合わせていたとしても平日の日中に(しつこい)捉って長話に付き合わされたら僕ならキレます で、やってみるとこの生活も存外に苦痛じゃないのです。ナチスドイツの人体実験の中に赤ん坊に一切声をかけず食事だけを無言で与え続けたところ衰弱死したなんて結果があったそうですが、五十を過ぎたおっさんには当てはまらないのかも。か、僕の性格によるところが大きいのかな。
で、僕が温かい部屋で安穏としている間に世間様は大変なことになっていたようで、もう何十年も経験していないような寒波の波状攻撃。横浜に雪が降った日も窓から雪道をよちよち歩いている通勤通学の人達を眺めながら「たいへんそうだなぁ」と悪魔的なひとりごとをつぶやき怠惰な安穏に浸っておりました。
その寒波もようやく緩み、これからは三寒四温。寒の戻りが来ることはあっても極寒のピークは過ぎたようです。まさに洞窟の中のクマといった体。穴の外の雪解けの音とそこはかとない空腹に背中を押されてのそのそと穴の外に這い出し、あたりを見回している気分です。
こんな悠長なことを書いているのもたぶん今日限り。自分のことですから明日出社して、席に座ってしまえば1分とおかずトップスピードで稼働し始め、冬ごもりなんか初めからなかったような顔をしていることでしょう。長くサラリーマンをしていますが、こんなことでもなければ経験しようもない引きこもり生活を堪能させていただきました。忘れっぽい性格ゆえすぐに忘却の彼方に消えていきそうなのでとりあえず日記に書いておきます(@浅田飴←このネタが分かる人は良いお年だと思う)。

養生訓

1月に37度台の熱が続き、結局大半を家で療養して過ごす羽目になりました。
今、病院で治療を受けているメインの病気もそうですが、その一因は日頃の不摂生、特に際限なしの飲酒にあるんだろうなと薄々気付いていまして、年明けから少し生活を改めています。
毎日毎日酒を飲むのではなくONとOFFをしっかり付けるをモットーに飲酒率50%台(2日に1日は酒を飲まない)をキープしています。お酒とはもう三十数年の付き合いですが、もういい歳だし、それ以前に決して丈夫な方じゃないのでいい加減付き合い方を見直す時期に来てるんでしょうね。縁を切るとなるとハードルはぐっと高くなってしまいますが、今の生活くらいなら続けていけそうです。
18世紀の初め頃、貝原益軒が「養生訓」という本を著したのですが、読み返すと良いことがたくさん書いています。医食同源の発想から食に関する戒めも多く出てくるのですが例えばこんな感じ。
少肉多菜:日本人は胃腸が丈夫じゃないからたくさん食べると消化不良を起こします。特に動物蛋白はほどほどにして野菜を多く摂りましょう。ガッツリ系の食事が好きな方には耳が痛いんじゃないかな。
少塩多酢:味の濃いものばかり好むと高血圧や心臓疾患の原因になるよという戒め。減塩ではなく適塩を。あと、酢もそのまま使うと体に負担が大きいので水で薄めるなどの工夫をすること。
少糖多果:甘いお菓子ばっかり食べてちゃダメだよという戒め。果物は蒸したり煮たりすると良いとも書かれています。
少食多噛:腹八分目。「満腹じゃ」と思うまで食べたらそれは食べ過ぎだよという戒め。食べたい欲求がコントロールできない人は総じてほかもだらしないとも書かれています。
300年も前に書かれたものなのに現代人の食生活を見透かしたような書きっぷりはちょっと薄気味悪いくらいなのですが、人間の体に関することなのでそうそう変わるわけじゃないんだろうなと思ったりもします。加えて、案外300年前の人々の食生活も今と似通うところがあったのかも。

とまれ、来週より職場復帰。酒を控えるとともにお弁当にも一工夫いたしましょう。

プチパパノエル

子供「ねぇ、サンタなんかいないってみんな言ってるよ。あれは……」
父(又は母)「いるよ。サンタクロースは子供を喜ばせるのが何より好きなのさ。だって、子供が嬉しい時はみんなが嬉しい時だもの。だから、サンタクロースはいるよ世界中にいつまでもね」
以前、少年少女合唱団とクリスマスのジョイントコンサートをやった時、幕間の会話劇にこういうのがありました。一見、詭弁にも聞こえますがこれこそがサンタクロースの真理だと僕は思っています。確かにサンタクロースなる人物は今の地球上には存在しません。ただ、子供を慈しみ、愛し、クリスマスの朝に喜ばせようとする気持は世界中にあふれています。サンタクロースはそんな大人たちの気持に宿る象徴(シンボル)なのだと思うのです。

子供の頃、特別だった日の夜が明けようとしています。いつもとどこも変わらない朝、でもなぜかそわそわして、起き抜けから夜が早くこないかと待ち望んでおりました。年に一度、クリスマスイブの夜にだけ母が焼くローストチキン。サンドイッチで作ったパンの家、スープ、サラダ、色鮮やかなクリスマスケーキ。一日かけてそれらが作られていくのを僕は母にまとわり付きながら眺めておりました。そして、夜眠って目が覚めれば枕元におもちゃが置かれていた。昭和40年代にしては平凡なのかもしれませんが、僕は幸福な子供時代を過ごしたのだと省みて思います。
長じて、結婚をし、娘達が生まれるとこの日はまた特別な日になりました。あの頃の母をなぞるように一日かけて料理を作る。そして、娘達が目を覚まさないように気遣いながら枕元におもちゃを置く。21世紀になっても僕は幸福な人生を送ってきたなぁとしみじみ思います。
その娘達も来年は二十歳と十七歳。いずれ、彼女たちがクリスマスのキッチンに立つ番が訪れることでしょう(って、いつまでも来なかったらそれはそれで困るのですが)。
我が家のローストチキンのレシピは祖母が昭和三十年代に洋食の料理教室で教わってきたものだと母から聞きました。あれから半世紀以上が経ち、三代目は今日もローストチキンを焼きます。遠い日のサンタクロースの思い出を胸に。いくばくかの感傷に浸りながら。

冬至過迄

彼岸過迄は漱石の小説(恐らく日本最古の短編連作小説じゃないかな)ですが、タイトルの意味はむちゃくちゃシンプルで正月から連載を開始して彼岸過ぎに連載が終わる予定だったからという。良いのかそれで。
今日のブログのタイトルはその語呂合わせですが、昨日は冬至でした。ということで今日は冬至過ぎなのだ。土曜日は週に一度の缶や瓶のゴミの日。缶酎ハイのゴミが溜まっているので起き抜けにビニール袋を下げてゴミの収集所に向かいました。5時を過ぎたばかりのまだ暗闇の中の朝。誰も通らない道路はいつもより幅広く感じられて新鮮です。そして寒い。今年は久しぶりに冬らしい冬で連日寒波や寒気と言った文字がニュースに踊っています。北国の方にはもうしわけないけど、関東地方はその分毎日いいお天気が続いているのでなにげにいい気分。洗濯物はよく乾くし、日が昇ればそれなりに部屋も温まります。
この国の暦では冬至が過ぎれば年の瀬まではあとわずか。明日はクリスマスのご馳走を作って、ちょっとしたお節もこしらえて、帰郷の準備をせねばなりません。さ、早々にブログを切り上げて料理の段取りにかかりましょう。
プロフィール

choal29

Author:choal29
酒と料理をこよなく愛するシステムエンジニアです。
食卓応援サイト「Gの食卓」を運営しています。
↓こちらもよろしく!!
http://diningg2011.web.fc2.com/index.html

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR