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幽冥無実

雨ばかりの今夏の中で、昨日は珍しく曇りの予報だったので、かねてから行ってみたかった場所にお出かけしました。JR 山手線「日暮里駅」。関東以外の人だと案外読みづらい地名かもしれませんが、「にっぽり」と読みます。まあ、用がなければそうそう行く場所でもないように思います。
日暮里駅の周辺は谷中(やなか)という地名で寺と墓地が密集しているエリアです。さすがは徳川の菩提寺「寛永寺」のある土地柄。で、僕の目的地もとあるお寺なのでした。「普門山 全生庵」、臨済宗のお寺で開基はかの山岡鉄舟(勝海舟に先立って西郷隆盛と会見し、江戸城無血開城に貢献した人です)。
ここは鉄舟の菩提寺でもあるのですが、もう一人明治の有名人の菩提寺でもあります。初代三遊亭圓朝。怪談噺で有名な噺家さんですが、その芸の精進のため多くの幽霊画をコレクションしたことでも有名な方です。そう、僕が行ってみたかったのはこれ。
全生庵 
幽霊画は本やテレビなどで見たことはあったのですが、生で見たことはなく一度見てみたいと思っていたのです。ましてや、今夏は毎日毎日、じめっとした曇り空、昼間でもなんとなく薄暗く幽霊気分を味わうには却ってよかろうと思った次第。加えて今年はスペシャルな幽霊画も特別展示されているのです。
お菊さん 
関東大震災の折に焼失されていたと思われていた鏑木清方作「茶を献ずるお菊さん」が、ネットオークションにかけられているところを発見され鑑定の結果本物と判明。94年振りに展示されるとのこと。これは見に行かねばなりますまい。(NHKニュースから)
展示室はもちろん撮影禁止なので写真を残せていないのが少し残念ですが、全ての掛け軸はショーケースではなくそのまま壁に掛けているだけという展示スタイル。まじまじと顔を近づけて鑑賞することができました(触っちゃだめですよ)。件のお菊さんの絵は茶器を捧げ持って深々と頭を垂れている構図でどんな顔をなさっているかは伺い知れない。けど、だからこそ余計に想像力を掻き立てられるんですよね。怒っているのかな? 恨めしい顔をしているのかな? 泣いているのかな? とつい考えちゃいます。
一わたり見て回って、僕が一番気に入ったのは円山応挙の幽霊図かな。すっごい美人なのです。けど、よく見るとこれは生きてる人じゃないなとなんとなくわかるという。
一口に幽霊画と言っても老婆のような痩せさらばえた絵から、西洋画のデッサンを取り入れたちょっとバタ臭い美人画風のものまでいろんなタイプがあって面白かったのですが、おしなべてどれも顔が笑ってない(ま、当たり前か)、寂しそうな恨めしそうな顔立ちのものばかり。天才圓朝は夜、乏しい灯りの中でこれらの絵を眺めながら新作の噺を練ったのでしょうか。写真で見ると圓朝自身が幽霊みたいに痩せた爺さんのような雰囲気があるので、傍から見てるとその場面がもうひとつの怪談みたいなもんだったんじゃなかったのかしらん^^;
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