FC2ブログ

完成品に腹をくくる

2017年春~夏アニメ。22話構成の「Re:CREATORS」は創作についていろいろ考えさせられる作品でした。
物語の大筋は小説やアニメの登場人物たちが、現実世界に具現化してしまうお話。中世の騎士だったり、スーパーロボットのパイロットだったり、学園モノのキャラクターだったりが入り乱れて登場し、それぞれの作品の創作者をも巻き込んで、やがてはこの世界を崩壊させる一派と守る一派に分かれてバトルを繰り広げます。
具現化した登場人物たちは元の世界で過酷な運命を背負っている者も少なくありません。民衆や友を死なせてしまい、あまつさえ敵方に改造されて変わり果てた姿になった自分の娘を手に掛けた男もいました。彼らはこちら側の世界に来てそんな過酷な運命が「読者」を楽しませるためだけの見世物だったことを知って愕然とします。中には作者と対峙し詰問したり、復讐を遂げようとする者もいました。自らの創作物に深手を負わされたとある作者は詰問されてこう言い放ちます。
「読者がそれを望むなら、自分は何度でも書く」
書いていれば登場人物に愛着だって湧いてきます。誰にも死んで欲しくくはないと思うようになります。けど、それでは物語にはならない。山場を迎えるためには深い谷に一旦落ちなければならないのは物語としては必定なんですよね。いくら登場人物たちに「もうやめて」と泣いて縋られようとも、やめるわけにはいかない──それが作家の業だと思います。中には達観した登場人物もいて、「そいつら(=作者)は神様じゃない。単に運命が人の形をしただけのもんだ。運命に文句言っても仕方ないよな」と言い放ち、あくまでも敵は作者ではなく創作世界の中にいると悟った姿は天晴でした。
それ以外にも創作者の本音があちこち散りばめられていたのですが、中でも印象に残ったセリフがこれ。

「俺たちプロだって常に完璧な作品が作れているわけじゃない。締切に縛られて限られた時間の中で書いている限りは納得がいかない時だってある。それでもできあがった作品に腹をくくってるだけだ」

生々しいなって思いました。あと、数日あればもっと良いものができる。せめてあと1日あればと思うことだってあるでしょう。でも、出版社は待ってはくれない。「これが完成原稿です」と腹をくくって編集者に渡すことだってあるんでしょうね。
ふと、スペインにあるサグラダ・ファミリアという建造物を思い出しました。設計者のガウディーはとっくに亡くなっているのにいまだに建築され続けている教会建築です。あの建物の施主ってガウディとどういう契約を結んでいたんでしょうか。ホントに「完成まで何百年かかっても良いから」なんて契約だったのかしらん??? 物語も出版社と締め切り無期限の契約をして親子何代にも渡って紡がれたら面白いだろうなとかちょっと想像しちゃいましたが、いやいやいや、読者は自分が生きてるうちに結末を知りたがるだろうと思い直しました。
創作物にとって、真に無慈悲な神とは読者なんだな──Re:CREATORSはそんなことを再認識させてくれた作品でした。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

choal29

Author:choal29
酒と料理をこよなく愛するシステムエンジニアです。
食卓応援サイト「Gの食卓」を運営しています。
↓こちらもよろしく!!
http://diningg2011.web.fc2.com/index.html

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR