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休むこと怠けること

秋アニメ「このはな綺譚」でこんな場面がありました。舞台はあやかしが集う湯治場「此花亭」なのですが、頑張り屋の中居さんが仲居頭に「明日は休みを取りな、お前このところ働き詰めだろ」と言われて反発するのです。「体調も問題なし、普通に働けます」って。
ネットのコメントには社畜だ~なんてコメントが案の定ちらほら飛び交っていましたが、僕は「日本人にとって休む=サボるという考え方はやっぱり根強いんだな」と思っちゃいました。
有給休暇が取りにくいという話はよく聞きますが、一因は上司や同僚が「サボりやがって」という目で見ることにあると思います。海外では夏のバカンスが1ヶ月なんて国があったり、昼休みが2時間なんて国もあると聞きますが、そういう国の人ってお互いにそれがずっと前から当たり前であまり何も思わないんじゃないのかな。取引している会社も「ああ、今はバカンス期間だから仕方がないか」と思ってくれる気がします。浦沢直樹の「マスター・キートン」に誘拐犯のネゴシエイターの話が出てきますが、スコットランドヤードの誘拐専門班のメンバーは事件対応中でも1日に8時間の睡眠を義務付けられていると紹介されていました。日本人の感覚からすると人命がかかっているのに寝るなんて不謹慎なと怒りそうですが、エキスパートの人員は限られていますから、いざという時睡眠不足で十分な働きができないようでは困るという合理的判断なんですよね。
今更な意見な気もしますが、日本人って余暇を過ごすという概念がなく、休む=怠ける=悪という考え方が刷り込まれた民族なのではないでしょうか。そのルーツは明治維新まで9割の国民が農業をやっていて夜が明けたら田んぼに出るのが当たり前の生活習慣だったことにあって、それが未だに伝承されているからではないかと僕は思うのです。DNAに刻まれているといったSFチックな話ではなく(いや、ホントは刻まれてもいるのかもしれませんが)、子は親の背中を見て育つというやつですね。僕の曾祖母は慶応年間の生まれで僕自身、娘がようやく二十歳になろうとしている身です。つまり戦後第2世代の僕らはまだまだ明治や大正生まれの人、場合によっては維新前の人を生で見て育った世代なのです。子供だった僕らは当然彼らの行いを真似、言動を是として大人になったわけで良くも悪くもいろいろ刷り込まれています。僕の娘達も僕や家内の背中を見て育った世代でその人格形成において僕らの言動の影響が皆無ではないでしょう。日本人の中から休む=怠けるという概念が抜け落ち切るにはまだまだ時間がかかるのかなと思います。
若い世代を中心に、「給料より休みがほしい」というムーブメントが起きていると言われて久しいですが、獲得した休みで何をするかというと「家でゆっくりする」という意見が多いのを見ると西欧のバカンスとはまだまだかけ離れている気がします。何も真似をする必要はないのでしょうけど、単に休息を取っているだけで、余暇を過ごす域に達していない気がするんですよね。
前途はまだまだ多難な予感ですが、いつの日か余暇を過ごすことと本当に怠けてることの区別がつく日がこの国に訪れることを切に願います。
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