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情の時代の終焉

2017年秋アニメで一番お気に入りな作品は「infinity-force」です。タツノコプロ55周年記念の作品とのことで、懐かしのヒーローたちがまさかの共闘。科学忍者隊ガッチャマン、破裏拳ポリマー、宇宙の騎士テッカマン、新造人間キャシャーンが画面狭しと大活躍するという昭和の少年世代には嬉しい内容。全編3D CGで構成されているのも21世紀のヒーローっぽくて良い良い。
彼らはCASEと呼ばれる謎のアイテムの力で元いた世界からこちらの世界に転移してきたという設定で要は今戦っているこの世界は昭和の彼らの世界とは別物だよというお約束になっています。
ヒーローたちのキャラクターはオリジナルをそのまま引き継いでいなくて再設定されているところも新鮮。ポリマーは二枚目半の陽気なお兄ちゃん(これはオリジナルに近いか)、テッカマンは落ち着き払った青年(オリジナルは猪突猛進型でした)、キャシャーンはナイーブな少年、そしてガッチャマン、ケンの役どころは『昭和の頑固おやじ』。24歳の設定にも関わらず、みんなから「おっさん」呼ばわりされてイジられるのが笑いを誘います。
「女なら料理の一つくらい作れるだろう」と言ってはヒロインを呆れさせ、「こういうのは女の仕事だろうが」と言っては「また、差別発言。訴えられたら負けるよ」と冷たい視線を向けられる。それ以外でも「スパゲティはいつからパスタなんて呼ばれるようになったんだ」と驚いたり、「おい、火をつけるつまみがないぞ」と言ってIHヒーターに載ってる鍋をつかもうとしてヤケドしそうになったりします。これらのくすぐりのツボって、昭和の頃には当たり前だったことが今では通用しなくなっていて観客(視聴者)はみんなそれが分かっているのに昭和から転移してきたガッチャマンだけがわかっていないというところにあるんですよね。
毎回笑いながら観ているのですがふと冷静になると寂しいものを感じます。振り返ると日常の中にもいつの間にか常識にかからなくなってしまったことってあるよなぁと気付くから。
僕が子供の頃のCMソングで「ニッセイのおばちゃん、自転車で笑顔を運ぶふるさとよ」なんてのがありました。あの頃は保険のおばちゃんが家々を回って勧誘できてたんですね。あるいは昼休みに職場にやってきて新入社員を総ざらいするなんて光景も当たり前でした。売られている商品は今考えるとあまり良いものではなくご主人が右肩上がりに給料が上がることを前提に先々で掛け金が高くなっていくタイプが多かった。なので、掛け金がぐっと抑えられて保証も充実した外資系の保険が入ってくると勝てなくなっちゃった。
僕が子供の頃は名前の通りの「ドブ板選挙」って感じに活動する政治家がいました。一軒、一軒家を訪ねてお願いして回ってそれで無名のおじさんが当選したりしていた。今、そういう人情に訴えるような戦略を取っても大半は門前払いされるのがオチな気がします。マンションなんてそれ以前にオートロックで中にすら入れないし。
良くも悪くも昭和の頃はビジネスの世界で「情に訴える」という要素がありました。損得勘定だけでなく人情を大切にするという風土が暗黙のうち培われていました。今は情で動いたらコンプライアンスに反すると言われるでしょうね。ビジネスチャンスは公平になったかもしれませんが(実は寡占が却って進んでいる気がしてしょうがないのですが)、少し味気ない時代になったな──ガッチャマンの熱いおっさんぶりを笑いながらそんなことを感じています。
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