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キッチンタイマー・ライフ

嫁によく笑われるのですが、僕の調理にキッチンタイマーは欠かせません。
よし、今から2分炒めるぞと言ってはキッチンタイマーをスタート、唐揚げは3分ねと言ってはキッチンタイマーをスタート。とにかく、次の調理の工程に移る度に時間を計ってベストの状態になる時間をメモしていかないと落ち着かないのです。
今でこそ、火が入っていく食材の状態や色や時には音の変化でタイミングを掴めるようになってきていますし、1分後、2分後どうなっていくかの予測も付きますが、料理を覚えたての頃は勘所がまるでわからず、拠り所になるのは時間だけ。何分炒めたら(揚げたら、茹でたら)良い感じになるのかというのをずっと物差しにしていました。今でもキッチンタイマーを手放せないのはその名残なんでしょうね。そういえば、鯨統一郎のデビュー作「邪馬台国はどこですか」で、邪馬台国の所在を推理する際にこんなことが言われていましたっけ。「魏志倭人伝で信用して良いのは船で✕✕日進んだといった部分だけ、○○里東へなんて箇所は無視すべき、当時の航海技術も測量技術もそこまで発展していなかった。ただ、何度日が昇って、日が沈んだかというのは誰がやっても同じで客観的な尺度となる」──あの作品がミステリーファンの琴線に響いたのはまさにこの一文だったと思うんですよね。そう、時間は客観的な尺度になります。
僕はいつか娘達が料理をするようになった時のために細々と料理の検索サイトを運営していますが、そこに書くレシピにも時間をこまめに書き込んでいるのは、料理1年生の娘達がタイミングをつかみ易いようにという配慮からなのです。

けど、ここまで書いておいてなんなのですが、決まった時間調理しても結果が同じとは限らないのが料理でもあるのです。ちょっとした火加減、混ぜ方などなどで同じ1分でまるで違う料理ができることも往々にしてあります。そう、料理の難しさはデジタル化しきれないところにあるのです。確かに全く同じ分量の食材、調味料を用意し、レシピに書かれていることを忠実に守れば本来の料理に近いものはできます。けど、最終的に本来の料理と同じものを作り上げるためには目で見、音を聴き、匂いを嗅いで判断しなければいけない局面が必ずあるものなのです。そんな料理人の勘と呼ばれる部分をレシピに書くのは至難の業、てか無理。なので、料理人は一代限り、二代目が店を引き継いだらそこからは二代目の味に変わっていくのが世の常なのだと思います。初代のファンからすれば面映いことでしょうけれど、二代目には二代目の良さがあるはずですからそれを楽しめば良いと思うしかないんじゃないかな。
近年、分子ガストロノミーという分野の研究が進んでいるそうです。料理を科学の視点からアプローチするもので、この分野が進化すれば料理人の勘といった曖昧な概念を払拭して全く同じ料理を誰もが作れるようになるかもしれません。それどころか、この学問では遠心分離機や液体窒素なんてものを平気で使ったりしますから誰も見たことがない料理が近い将来生まれるかも。料理人にとっては寂しい話かもしれませんが、そうなったら面白いだろうなと思う自分がここにいます。
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Author:choal29
酒と料理をこよなく愛するシステムエンジニアです。
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