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描かないものは映らない

2018年は冬アニメが近年稀に見る豊作だったこともあってか、春アニメはそれに比べるとちょっと小粒なものが多いかなって感じます。ま、楽しめるものはたくさんあるし、何より家でお酒とか珈琲とか飲みながらぼーっと観てるだけの人間が文句言える筋合いではないのですが。ただ、夏アニメ、秋アニメのラインナップを見ていると先細り感が半端なく(どこかで見たような話ばかりに思えてしまう)、いよいよ危惧されていたクライシスの到来なのかな。当たり前の話ですが、アニメは実写作品と大きく違うところが一つあって、なにごとも描かなきゃ映らないわけです。
例えば、実写の場合、通行人に対する監督のポリシーは2種類に分かれると聞いたことがあります。一方は自然にその通りを歩いている人々を撮り続け、その中から作品にふさわしいカットを抽出するタイプ。もう一方はエキストラを仕込んで、「2秒後に右の角からOL風の女性、5秒後に左から慌てて走っていく中年のサラリーマン」と絵柄を作り込んでいくタイプ。アニメの場合、前者はあり得なくて、通行人を描かなきゃ画面に映りません。逆に言うと画面に通行人が映っているということはなんらかの意思と意図を持って多くの人が原画を描いたり、絵を動かしたり、色を付けたり、足音を添えたりしているのです。そういう意味ではモブキャラだからといってスクリーンに映し出す手間が簡単になるわけじゃありません。
実写映画から移籍した監督が、ある場面のプランを3つ考えて「とりあえず、それぞれ作って提出して。それ観てからどれにするか検討するから」と言ってスタッフを震撼させたとか。確かに実写ならカメラを3テイク回せば済む話かもしれません。けど、アニメの場合それって同じ作品を異なる演出で3本作る手間なんですよね。だからアニメでは特にコンテが重要になってきます。実際に原画に起こす前までに徹底的にコンテをブラッシュアップしてリテイク──ましてやイチから作り直しなんてことにならないよう突き詰めておかないといけないのです。
2018年冬アニメには怪作、ポプテピピックがありましたが、その2話のショートコントにこんなのがありました。
「海行こう」
「いーねぇ」
「日本のマチュピチュ行こう」
「ダメだ」 「えっ」
「その美術、発注してないからダメだ」
ま、それがアニメ制作現場ならではの大変さなのだと思います。
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